ＶＯＡなどを傘下に持つ「米グローバルメディア局（ＵＳＡＧＭ）」の発表では、トランプ大統領が１４日に署名した政府の規模縮小を図る大統領令に従い、機能や人員を削減します。対象機関にはＶＯＡのほか、ラジオ・フリー・アジア（ＲＦＡ）、ラジオ・フリー・ヨーロッパ／ラジオ・リバティー（ＲＦＥ／ＲＬ）などが含まれます。

ＶＯＡのアブラモウィッツ局長は１５日にフェイスブックで、記者を含む１３００人以上が休職扱いになったと説明しました。ＶＯＡが圧制下で暮らす人々にもニュースを提供してきたと強調し、今回の措置が「安全で自由な世界を育むＶＯＡの機能に深刻なダメージを与える」として、米国の利益を損なうと批判しました。

ＶＯＡは１９４２年に設立され、第２次世界大戦や旧ソ連との冷戦を通じ、敵対国に米国の価値観や政策を発信する対外宣伝活動の役割を担ってきまし￥た。最近では４８の言語で朝鮮民主主義人民共和国やミャンマー、中国、イランなどに向けてニュースを発信し、１週間当たりの視聴者数は３億６０００万人を超えます。

政権側は、ＶＯＡ記者が「反トランプ」的なコメントをＳＮＳ上で流したほか、ＵＳＡＧＭに「スパイやテロリストの支持者」が浸透しているなどと批判しました。一方、下院外交委員会のミークス委員（民主）は声明を出し、「世界各地で宣伝工作に対抗する米国の取り組みを損なう」と非難しました。（時事）